バレード 香水 ラ セレクション ノマド(BYREDO/PARFUMS LA SELECTION NOMAD)
スウェーデン発 、フランス産のBYREDOの香水について心惹かれる方の多くは香り以上に、先ずBYREDOの香りをディレクトするBen Gorham(ベン・ゴーラム)氏の生い立ちや(父はカナダ人、母はインド人と言う)彼の存在感に強く興味を持つのでは無いだろうか。
試香用に取り寄せたOUD IMMORTELは正にそんな彼ならではのスーパーメディテーショナルな寺院系の香りだった。今私は就寝用に使用しており、その奥行きのある複雑な香りの変化に魅了されている。
そして、更にBYREDOの中でもポピュラーな香りの3点セット(各12ml)【LA SELECTION NOMAD】を入手した。
【LA SELECTION NOMAD】(遊牧民的セレクション)
■GYPSY WATER(ジプシーウォーター)・・・読んで字のごとくジプシーの水
■BLANCHE(ブランシュ)・・・フランス語で白
■BAL D'AFRIQUE(バルダ フリック)・・・フランス語でアフリカ
と言う意味合いのコンセプト、セレクションになると思われる。
■GYPSY WATER(ジプシーウォーター)
主な香り:ベルガモット、レモン、ジュニパーベリー、オリス、パインニードル、アンバー、サンダルウッド、バニラなど。
バニラ、サンダルウッドの組み合わせで、ここ数年で定番化しているポピュラーなルームフレグランス等の香りをすぐに想起させる香りではあるものの、ヨーグルト的乳酸菌系の甘く複雑な香りを感じるのが面白いところ。そして単なるバニラ、サンダルウッド系の香りと言って切り捨てられない様な、その時の自分の体調により香りの印象が随分違って感じる。ミステリアスな夜の香りの部類と思うが、こういった経時変化の深み、複雑さはBYREDOの調香の妙と言えるのでは無いだろうか。
■BLANCHE(ブランシュ)
主な香り:ローズ、アルデヒド、ピンクペッパー、スミレ、ネロリ、牡丹、ブロンドウッド、サンダルウッド、ムスクなど。
BLANCHEと言う単語自体はフランス語で「白」の意味だそうで、清潔で透き通った香りとのレビューが多く見られるが、レビューの香りと随分違う印象に感じるのは私だけであろうか。個人的には主な香りの成分には含まれていない、オリーブオイルの香りをトップに強く感じるし、単なる白や透き通ったと例えるにはこれまた複雑過ぎる香りだと思う。そして主な香りにあげられているフローラル系の香りはほぼ分からない。牛乳石鹸にオリーブオイルを混ぜ、隠し香にオロナイン少々、サンダルウッド少々、ムスク少々加え高級感を出した日中の香りと例えると更に不明になるかも知れないが、個人的にはそんな例えがしっくりと来る。
■BAL D'AFRIQUE(バルダ フリック)
主な香り:アフリカマリーゴールド、ベルガモット、ネロリ、シクラメン、ジャスミン、バイオレット、ブラックアンバー、モロッコシダーウッド、ムスク、ベチバーなど。
BAL D'AFRIQUE(バルダ フリック)はフランス語でアフリカの意味。主な香りにマリーゴールドやジャスミン等の花の香りが多く挙げられているが、その単語のままストレートに脳に花の香りを感じる。このノマドセレクションの中では一番分かり易く、ライトで日本人的な感性で理解し易い。比較的TPOを選ばすオールマイティーに使える香りと言った印象。ただ経時変化の中で様々な花の香りが顔を出すと言う、やはり一筋縄ではいかぬ代物なのはBYREDOだからであろう。
バレード ラセレクションノマード オードパルファム (バルダフリック・ブランシュ・ジプシーウォーター)